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治療内容

歯科コラム歯科コラム

銀歯のリスクや白い歯にする審美的治療を解説

口元の審美性が重要視される昨今、過去に治療した銀歯が気になる方は多いのではないでしょうか。銀歯は審美性に欠けるだけでなく、口腔内や全身に悪影響を及ぼす可能性があります。

本コラムでは、銀歯を長期間放置するリスクや、白い素材を使用する審美的治療の選択肢について解説いたします。

目立つだけではない|銀歯をそのままにするリスク

被せ物として選択されやすい銀歯は、目立つだけでなくアレルギーなどのリスクがあります。銀歯が引き起こす可能性のある疾患や悪影響について解説いたします。

虫歯リスクが高まる
銀歯にした歯は、虫歯になるリスクが高くなります。銀素材には伸びにくくフィット性が悪いといった特徴があります。さらに、銀を歯に接着する際に使用するセメントは接着力が強くありません。時間が経つと劣化によって歯と銀歯の間に隙間が生じ、汚れや雑菌が溜まりやすくなります。虫歯を治療した歯が再び虫歯になることを二次カリエスと言い、その発生につながってしまいます。
銀歯の素材で健康被害につながる可能性がある
銀歯の素材は、主に2種類あります。
12%金銀パラジウム合金
現在、多くの銀歯に使われている12%金銀パラジウム合金は、アレルギー発生リスクが懸念される素材です。銀歯は唾液により少しずつ溶けてイオン化します。イオン化した銀歯は体内でタンパク質と結合しアレルゲンとなり、アレルギーの発症につながります。銀歯が原因のアレルギーは、歯科用金属アレルギーと呼ばれます。
アマルガム
アマルガムは特に注意が必要な素材です。無機水銀を含むアマルガムは、1980年代まで盛んに使われていました。しかし、水銀は体内に取り込まれると口内炎・歯肉炎・皮膚炎などさまざまな疾患を引き起こすため、諸外国では使用が禁止されています。日本でも2016年に保険外診療となり、現在ではほとんど使用されておりません。除去を推奨する歯科医院もあります。
歯ぐきが黒ずむ場合がある
銀歯が原因で歯ぐきに黒ずみが生じる場合があります。

銀歯は銀や金を含有する金属の合金です。金属は劣化すると金属イオンが口腔内に溶け出し、歯ぐきの黒ずみの原因になります。金属による歯ぐきの黒ずみは「メタルタトゥー」と呼ばれ、ホワイトニングで改善できる場合もありますが、根本的な原因を除去しなければ再び黒ずむ可能性があるでしょう。

金属を使わないメタルフリー治療とは

メタルフリー治療とは、銀歯を使わない歯科治療です。前述の通り、銀歯の素材にはアレルギー性の高い、銀・金・銅・パラジウムなどの金属が含まれるため、金属アレルギーにともなう全身症状が起こる可能性があります。

また、歯ぐきの色素沈着や二次カリエスのリスクがあるため、海外ではメタルフリー治療を取り入れる国が増えており、日本においてもメタルフリー治療を推奨する歯科医院が増えてきました。

白い歯にする場合の選択肢

銀歯を除去し、歯の外見を白くする治療には、いくつかの選択肢があります。保険診療と診療外の治療があるため、事前に確認しておきましょう。

保険診療|CR・ハイブリッドセラミック
保険診療で歯の外見を白くする素材には下記のものがあります。
CR(コンポジットレジン)
CRは虫歯治療でよく使用される白い樹脂製の詰め物です。歯の咬合面が銀歯の場合、保険診療ですべての銀歯をCRに変更できます。ただし、樹脂製のため変色しやすく、強度もセラミックや金属には劣ります。歯を覆う被せ物もCRで対応可能ですが、前歯から5番目の第二小臼歯までが保険診療で、それより奥の歯は自費診療となります。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックはレジンとセラミックの混合物で、レジンよりも強度が高く、審美性も向上する点が特徴です。詰め物、被せ物共に保険診療で治療できる歯の条件が定められているため、銀歯の場所によっては自費となるケースもあります。ただし、金属アレルギーの方は診断書があればすべての歯を保険診療でハイブリッドセラミックに変更可能です。
自費診療|セラミック
自費診療となるセラミックは陶器でできており、天然歯に近い白い歯を再現できます。セラミックと他素材との組み合わせによりさまざまな種類があります。
オールセラミック(ジルコニアセラミック)
オールセラミックはセラミックのみでできており、天然歯の色調や光沢、透明感を再現可能です。しかし瞬発的な力に弱く、奥歯に使用すると割れるリスクがあります。一方、ジルコニアで強度を増したジルコニアセラミックは、オールセラミックより透明度が劣るものの奥歯の咬合力でも問題のない耐久性を発揮します。天然歯に近いオールセラミックは前歯、耐久性が高いジルコニアセラミックは奥歯に適した素材といえるでしょう。
セラモメタルクラウン(メタルボンド)
セラモメタルクラウンは、金属の上にセラミックを吹き付けた素材の被せ物です。セラミックで覆っているため、天然歯に近い仕上がりが期待できます。内部の金属によって強度も保たれるため耐久性も高い素材ですが、金属を使っているため金属アレルギーのリスクは残ります。
e-max
e-maxは二ケイ酸リチウムガラスで作られた次世代のセラミック素材です。固すぎないため、噛み合う歯を傷めるリスクが少なく、セラミックと同程度の天然歯に近い色合いとなります。また、奥歯として使用可能な強度を持つことも特徴です。

素材にはそれぞれ一長一短があり、価格も異なります。患者様の口腔内状況によってもかかる費用は変わるため、ぜひ一度当院までご相談ください。

白い歯を維持するために大切なこと

審美的治療後の白い歯を維持し、虫歯や歯周病の予防、口腔疾患の早期発見・早期治療を実現するためには、毎日のセルフケアや歯科医院での定期検診が大切です。せっかく虫歯の治療をしたのに再発してしまうと、再度治療をする必要があり、義歯を作り直すために高額な費用が必要になる場合もあります。歯の健康維持に不安がある方は、当院までご相談ください。

Q1:銀歯は本当に「銀」が使われていますか?
A1:銀歯は銀を含有しています。現在主に使われている銀歯は「12%金銀パラジウム合金」です。銀歯の含有素材は銀が50%、銅20%前後、パラジウム20%、金12%となります。その他、インジウムが数%となり、この含有率は国によって定められています。
Q2:銀歯が目立つと印象が悪くなりますか?
A2:印象が悪くなる可能性はあります。口元は顔全体の印象に大きな影響を与える部位であり、特に笑ったときに銀歯が見えると、相手に古い治療跡やメンテナンス不足の印象を与える場合があります。審美的治療で、より自然な歯の色に近い素材を使用すれば、好印象な口元にできるでしょう。

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