訪問歯科で使用する器具や材料について
訪問歯科は、歯科医院へ通院できない方のために、歯科医師や歯科衛生士が自宅や施設などを訪問して口腔ケアを行います。訪問歯科では、具体的にどのような器具が使用されるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
本コラムでは、訪問歯科で使用する器具・材料について解説します。また、訪問歯科を利用するうえでの注意点もご紹介しますので、訪問歯科治療について知りたい方はぜひ参考にしてください。
訪問歯科ではどんな器具や材料が使われる?
ご自宅や施設でも歯科医院と同じような歯科検診や虫歯、歯周病などの治療を行うため、一般的には以下のような器具を携行します。
- ・明器具(ルーペライト、小型懐中電灯)
- ・診査器具(ミラー、ピンセット、吸引管)
- ・清掃用具(歯ブラシ、スポンジブラシ、保湿)
- ・消耗品(グローブ、紙コップ、エプロン)
- ・全身状態チェック用器械(血圧計、パルスオキシメーター)
- ・往診用ポータブルユニット(バキューム、超音波スケーラー)
- ・携行用レントゲン など
このような器具のほか、義歯の修理や固定を行う際に使用する材料であるソフトライナー(レジン)や、入れ歯の具合が悪くなったときに使用するリベースといった材料も準備しています。
歯科医院のような大型の器具や機材がなくても、このような器具や材料を活用し、一般的な歯科医院での治療を行えるのが訪問歯科の特徴です。ただし、インプラントなどの外科手術をともなう治療や歯列矯正などの専門的な治療は、訪問歯科では対応していませんので注意してください。
訪問歯科でのトラブルを防ぐ方法を解説
訪問歯科はご自宅や施設などでの治療となるため、器具を置くスペースが少なかったり、動ける範囲が狭かったりと診療の妨げになる場合があります。このような事態を防ぐため、訪問歯科の利用の際は、治療を受けるスペースを十分に確保しておきましょう。例えば、動かせる家具は移動させ、歯科医師が携行した診療器具や材料を置くスペースを事前に用意しておくなどです。
また、費用や治療期間に関する不安やトラブルも起こる可能性があります。想像よりも費用が高くなってしまったり、治療期間が伸びてしまったりする可能性を下げるためにも、治療を始める際は事前に歯科医師へ費用の確認をしておきましょう。
- Q1:訪問歯科で注意すべき点はありますか?
- A1:訪問歯科では通常の歯科医院で受診する際に支払う費用のほか、居宅療養管理指導費や訪問歯科診察費がかかるため、費用が少し割高となります。
- Q2:訪問歯科を受けられる対象者は?
- A2:訪問歯科は、疾病や傷病により歯科医院へ通院できない方を対象に受けられる治療です。例えば、知的障害者、精神障害者、身体の不自由な方が受けられます。利用する際は、かかりつけの歯科医院へ相談するか、地域包括支援センターなどへ相談しましょう。