歯科医師に聞く、虫歯や歯周病の原因と予防法
加齢や生活習慣の乱れで気になるのは「口腔内の健康」ではないでしょうか。虫歯や歯周病は気づいた時にはすでに症状が進行しているため、早期発見や対策が重要です。本コラムでは、虫歯や歯周病の可能性が気になる方へ向けて、セルフチェックや予防法を紹介します。日々のケアと歯医者での健診を上手に使い分けながら、理想の口腔衛生を目指しましょう。
虫歯や歯周病はないか?セルフチェックで確認
歯周病は、自覚症状が少ないため、気づいた時には病状が進行している恐れがあります。日常生活のなかで以下の症状がみられる方は、歯周病や虫歯になっている可能性があります。
- ・歯肉が赤く腫れている
- ・口臭がする
- ・歯肉が下がっている
- ・歯磨きで出血する
- ・むず痒い感じ・痛みがある
- ・歯肉から膿が出る
- ・口内のネバつきがある
- ・歯がグラつく
これらの症状を放置すると、歯周病が悪化したり虫歯が進行したりする可能性があるため、1つでも思い当たる方は、今日からケアを意識しましょう。
原因は歯垢!すぐできるセルフケアと予防法
虫歯や歯周病は、歯垢から発生する細菌が原因で発病します。歯周病の発症には、口腔内の汚れだけでなくストレスや生活習慣の乱れも影響します。疲労やストレスが蓄積すると、身体の免疫力が低下するためです。セルフケアでは、虫歯予防と併せて歯周病予防を行うことが重要です。朝晩2回の歯磨きや、甘い食べ物の摂取を控えることは、歯の健康を守るために大切だとご存知の方も多いでしょう。
また、不規則な生活やストレスは免疫力の低下を招くほか、間食が増える原因になるため、口腔内の健康を損ないがちです。適度な睡眠を確保し、生活習慣を整えるよう気をつけましょう。今日からできる簡単な予防法の1つとして「よく噛んで食べる」ことも心がけたいものです。正常な唾液の分泌は、細菌を流す効果が期待できます。適度な水分補給も忘れずに行いましょう。
歯科医院で定期的なケアを受け健やかな歯を保とう
日々のセルフケアと併せて重要視すべきは定期健診です。プロの目線で口腔内のチェックができるため、虫歯や歯周病を初期段階で発見・治療ができます。
定期健診では、虫歯や歯周病の進行状況に合わせた適切な処置を検討します。患者様の状態に合わせた抗生物質の処方や、抗真菌作用のあるカビ取り歯磨き剤の処方も行います。誤った自己判断で症状を悪化させないためにも、定期的な健診を心がけましょう。
- Q.1 虫歯や歯周病対策はいつから始めたらよいですか?
- A.1 虫歯や歯周病は子どもでもなる可能性があるため、0歳から始めるとよいでしょう。特に、乳歯や生えたばかりの永久歯は歯垢が付着しやすいため、歯磨きの習慣化や歯医者での定期健診が大切です。
- Q.2 歯医者での歯周病治療とはどのようなことをしますか?
- A.1 細菌の温床となる歯石をスケーラーと呼ばれる器具で除去します。中〜重度の歯周病の場合は、外科的処置や内科的治療を状況に合わせて行います。