歯科コラム

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全身の健康維持に重要な予防歯科

予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、トラブルを起こさないための予防を重視したデンタルケアです。本記事では、予防歯科の重要性やメリットを詳しく解説します。

歯の健康は全身の健康に影響します

歯の健康は、全身の健康に大きく関わっています。実際に、国内で行われたさまざまな調査で「残っている歯の数が少ない人ほど、医療費が高い」というデータが示されています。また、歯を失ってそのままにしている人は、歯が20本以上残っている人に比べ、認知症の発症リスクが2倍高くなるという報告もあります。

大人が歯を失う一番の原因に「歯周病」が挙げられます。歯周病は、さまざまな病気のリスクを高めると言われており、糖尿病や脳卒中、心筋梗塞などの疾患との関連も報告されています。認知症と歯の関連性については従前より指摘されていましたが、近年の研究によってそのメカニズムが明らかになっています。歯を失ったことで噛む力が弱くなる、栄養が偏る、歯周病菌や炎症性物質が血流に乗って脳に運ばれるといったことが、認知症の発症に繋がると言われています。

予防歯科は、虫歯や歯周病の予防を目的としていますが、全身の健康維持、ひいては健康寿命(日常生活に制限を受けず、健康に過ごせる寿命)の延伸にも役立つ可能性があると言えます。

予防歯科のメリット

歯の健康維持の重要性を踏まえ、改めて予防歯科のメリットを確認しておきましょう。

【虫歯や歯周病リスクの低減】
定期的に歯科にかかっていると、虫歯などが見つかった場合も早期に対処できるため、歯へのダメージを最小限に抑えられるでしょう。また、フッ素塗布による虫歯予防の効果も期待できます。
【通院や治療費の負担低減】
虫歯や取れた詰め物を放置していると、治療のために何度も通わなければなりません。ブリッジやインプラントを選択した場合、数万円~数十万円という高額の費用がかかることもあります。定期健診を受けることで、結果的に患者様の時間的・金銭的負担を減らせる可能性があります。
【正しい歯みがき方法がわかる】
予防歯科では、患者様のお口や歯の状態に合わせて、最適なブラッシング方法のアドバイスを行ないます。より自分に合ったセルフケア方法を知ることができるでしょう。
【綺麗な歯を保てる】
予防歯科では、専用の器具や薬品で歯を清掃するPMTCを実施します。普段の歯みがきでは落としきれない着色汚れや歯垢も除去するため、ツヤのある綺麗な歯をキープできます。
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