予防歯科で年齢に応じたケアをしよう
年齢層によって起こりやすい歯のトラブルは異なるため、それぞれの年代で適切にケアし、虫歯や歯周病を予防することが大切です。今回は、年齢層ごとの予防歯科のポイントを解説します。
赤ちゃん
赤ちゃんが生まれた時には口の中に虫歯菌は存在しませんが、徐々に周囲の人からうつって虫歯菌を保菌するようになります。なるべく虫歯菌をうつさないよう、食器の共有や口移しなどに注意しましょう。また、糖分が含まれる飲み物や食べ物を長時間与えることで、虫歯になりやすくなります。なるべく水やお茶などを飲ませ、甘いものを与える際には時間を決めましょう。
また、早いうちから歯科医院に通うこともおすすめです。乳歯は虫歯になりやすいため、定期的な歯科検診と処置を受けることが大切な予防ケアになります。
子ども
小児期は乳歯が永久歯に生え変わり、あごの成長も活発になっており、将来の健康な歯やあごの骨格を作るために大切な時期です。一方、生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいうえに、子どもが1人で歯磨きをすることで磨き残しも出やすく、虫歯のリスクが高い時期でもあります。
予防歯科では、定期的な検診やクリーニング、フッ素塗布、ブラッシング指導などの処置を行ない、健康な歯を守ります。歯やあごの骨格など口の中の状況が変わりやすいので、約3か月ごとに定期検診を受けるとよいでしょう。
中高生
思春期になると、基本的に自分自身で歯磨きなどのケアをするようになります。食事量が増えたり、生活が不規則になったり、歯磨きがおろそかになったりと、虫歯のリスクが高まります。また、生活習慣が原因で歯茎に炎症が起きる「思春期性歯肉炎」もみられやすいです。
予防のために、歯科医院での継続的な定期歯科検診やフッ素塗布に加えて、食事や生活習慣の注意点を指導することも予防歯科の処置の一つです。
大人
大人になると、虫歯に加えて歯周病のリスクが高まります。歯周病は悪化すると歯を支える骨などに細菌感染が起きてしまい、歯を失う可能性もあります。いつまでも歯を健康に保つためには、虫歯だけでなく歯周病の予防が重要です。
子どもに比べて、詰め物・かぶせ物や入れ歯の有無、虫歯や歯周病のリスクの程度など、一人ひとりの口内の状況に大きな差があります。そのため、予防歯科では一人ひとりに合わせたブラッシング指導やクリーニングなどの処置が行なわれます。