歯科治療に必要不可欠なレントゲン撮影
歯科治療を行うにあたり、肉眼では見えない歯の内部の状態を知る必要があります。そこで、レントゲン撮影を行いますが、放射線の一種であるX線を用いるため、放射線被ばくについて気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではレントゲン撮影についてお話しします。
レントゲン撮影で分かること
- 詰め物の中や歯と歯の間など、目では見えない場所の虫歯
- 神経の有無、破折など歯根の状態
- 歯周病の骨の状態
- 顎関節の状態
- 親知らずの位置や方向
- 子供の場合は永久歯の位置
レントゲンの種類と被ばく量
レントゲンには以下の3つの種類があります。
デジタルエックス線撮影
小さなフィルムを口の中に入れて撮影します。1枚に写る歯の範囲は3、4本です。決まった歯を詳しく調べたいときや根の治療終了後に確認として撮ることが多いです。被曝量は0.01mSvです。
パノラマエックス線撮影
お口の中の歯全体を撮影します。初診時やメインテナンスなど、全体の歯を概観したいときに使用します。被曝量は0.03mSvです。
歯科用CT撮影
平面的なレントゲンとは違い、立体的な画像診断が可能です。親知らずの詳細な位置や神経、血管の位置を知るために撮ります。インプラント治療の前に使用することが多いです。被曝量は0.1mSvです。
歯科用レントゲンの被ばく量は少ない
胸部レントゲンでは0.05mSv、東京からニューヨークまでの往復空路で0.2mSvの被ばく量があることを考慮すると、パノラマエックス線撮影の被ばく量は0.03mSvと、非常に小さな被曝量であることが分かります。
このように歯科用のレントゲンは、小さな被ばく量で多くの情報を得ることができます。さらに、西村歯科ではデジタル式のレントゲンを使うことで、従来のフィルム式のレントゲンより約4分の1程度の被曝量に抑えられています。
胎児に影響が出るのは100mSv以上から
胎児に影響が出るのは100mSv以上と言われています。そのため、歯科用レントゲンによる被曝量では妊娠中の方でもほぼ問題ないということになります。それでも心配な方には、放射線を通さない鉛でできたエプロンをお腹にすることで、放射線をブロックすることができます。
歯科治療においてレントゲンはなくてはならないものです。その安全性をしっかりご理解いただければ、より安心してレントゲン撮影を受けることが出来ると思います。